賃貸住宅のプロパンガスは料金は、一般的に戸建て住宅に比べると高いと言われています。その理由としては、プロパンガス会社の過剰なサービス合戦が要因と考えます。
東日本大震災に伴う原発事故で、オール電化住宅がだいぶ下火にはなりました。
最近テレビCMでオール電化よりもプロパンガスのCMが流れるようになったのは、原発事故以降だと記憶しています。プロパン業界もこれを追い風にと、市場の拡大を狙っているのです。
現在住宅のエネルギー源として、オール電化、太陽光発電、都市ガス、灯油などのライバルが存在します。
特に近年ではオール電化や太陽光発電などにプロパンの市場が奪われて、これ以上の市場拡大が見込めず、ガス会社同士の顧客の奪い合いが激化していたのも事実です。
そのためアパートなどの大家さんへのサービス合戦もエスカレートしているのです。
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プロパンガス業界は、1997年以前は無競争時代が続いており、お互いの客は取り合わないと言う暗黙の了解の元やっていました。しかし、1997年の液石法改正によって、プロパンガスの実質自由化が始まりました。
その中で、ガス会社が特に力を入れたのがアパートの大家さんや管理会社の囲い込み。
分かり易く言うと、給湯器やエアコン(雪国はストーブ)などを無償貸与するサービスをして顧客を取り込み契約を取り付ける動きが出てきたのです。
これが、プロパンガス料金が高くなる要因!
この過剰なまでのサービスのつけを払うのは、入居者なのです。
本来、給湯器やエアコンなどの設備は、アパートを建築する時に本来大家さんが負担すべきものです。都市ガスの設備を入れるとなるときちんと都市ガス業者から設置の請求が来ます。※最近は都市ガスもこのようなサービスをしているとか…
アパートの大家さんから見るとこのような提案をプロパンガス会社から受けた場合、いろいろと設備を無償貸与してくれるのなら、その会社と契約したくなるのも当然と言えば当然です。
なんせ、設備のメンテナンス料がかからないのですから…
ちなみに、10戸建てのアパート一棟のプロパン・灯油ストーブ(灯油配管設備含む) の工事が100万~200万くらいかかります。
実は、アパートの工事の際ガス会社が設備工事しても建築会社からその分のお金は一切貰えない事が多いです。アパートの燃料供給を条件に無償で工事をさせられているのです。※おそらく建築屋はオーナーからはそれらの工事代金はもらってると思います。
プロパンガス会社も商売なので、これらの工事代金の回収をしなければいけません。
結局、大家さんが得した設備費用分は入居者の毎月の基本料金や従量料金に上乗せされてしまうのです。
ガス会社側も、設備費の回収や償却期間が終わったら価格を下げれば良心的なのですが、基本的にお客さんや大家さんからの指摘がない限り償却期間が終わっても、価格は下げる事はしません。
これが、賃貸住宅のプロパンガスの現状です。
だからと言って、このままプロパンガス料金が高いままで良いという事にはなりません。
以前自分でできるプロパンガスの節約方法の記事を書きました。
syu-katu-tensyoku.hatenablog.com
その方法で、いくらか節約できたけどやっぱり高いと言う人もいるはずです。
そんな時は、泣き寝入りをせずに、以下の方法をとってみましょう。
方法としては2つあります。
- プロパンガス会社の変更
- プロパンガス会社に価格の交渉
書いた自分が言うのもなんですが、賃貸住宅のガス会社の変更は自分一人では難しいと思います。
そうなると一番現実的なのは、ガス会社に価格の交渉をという事になります。
この交渉で、自室のガス料金を下げてもらうのです。この方法では、劇的に料金が下がるとは思いませんが、従量料金が200円下がったと言う人も中にはいます。
10㎡使ったら、2000円も料金が変わるのですから、やってみる価値はある事でしょう。
ガス会社によっては、対応もばらばらですし、あなたの交渉力次第でも結果は違うと思います。
交渉をしなければ1円も下がることはありません。
ダメもとで、トライしてみる価値はあると思います。
ここで、料金体系が分からない人のために、プロパンの料金体系について触れてみたいと思います。
プロパンガスの料金体系
二部料金制 基本料金+(従量単価×使用量)
スライド制 基本料金+(従量単価×使用量)
※使用量に応じて従量単価が変動
三部料金制 基本料金+(従量単価×使用量)+設備利用料金
原料費調整制度 基本料金+(従量単価×使用量)
※従量単価が原料費によって毎月変動
となっていますが、ほとんどのガス会社は二部料金制をとっているのがほとんどです。
また、毎月検針伝票をもらうと思いますが、ほとんどの会社の検針伝票基本料金は記載されてません。契約書などに記載されていれば計算もできますが、記載のない場合はガス会社に聞くか、予想で計算をしなければいけません。
二部料金制の計算方法
二部料金制の計算方法ですが、最も多くのガス会社が採用している料金体系です。
毎月の基本料金と使用量に応じた従量料金とで構成されています。
計算方法は、従量単価と使用量を掛けて基本料金を足すと料金が出てきます。
基本料金+従量料金(従量単価×使用量)=ガス料金
計算例として、
使用量10㎥、基本料金1900円、従量単価500円で計算してみると。
1900円+(10×500)=6900【税抜】
となります。消費税は、その時の税率をかけてください。
基本料金が分からなくても、大体は2000円前後ですから、ガス会社に聞かなくておおよそ2000円位で計算すれば、ざっくりとした従量単価の計算ができると思います。
その時に従量単価が、600円以上の答えが出てきたら、あなたの使っているプロパンガスの従量単価は高いと思います。地域によりますが、大体400円~500円位であれば、少し高いが許容範囲と私は考えます。(安いに越したことはありませんが…)
600円以上の単価が出たならば、ダメもとでガス会社に交渉しましょう。
ガス会社側も、ワーワー騒がれるよりは、個人的に単価を下げて穏便にする方が良いと考える場合が多いので、根気よく交渉すれば単価が下がる確率の方が高いと思っています。
交渉の条件として毎月きちんとガス料金を払っている事が前提です。人として、料金を毎月遅れたり、たまっている状態でガス料金が高いと言っても、スジが通らないと思います。
皆さんどうでしたか?
ガス料金の交渉をする前に、今あなたがどれくらいの料金のガスを使っているか、ある程度把握する必要があります。意外に、料金は平凡で使いすぎてるって事もまれにあります。
そのためには、おおよそでよいのでプロパンガス料金の計算をしてみましょう。
syu-katu-tensyoku.hatenablog.com